iPhone Xが発売された翌日の11月4日、AppleはiPhone X の Super Retina OLEDディスプレイに関する支援報告書を発表した。具体的には焼き付きに関しての報告書だ。
iPhone XのOLEDディスプレイに焼き付きが確認されたわけではないが、Appleが発表したということは注意が必要だろう。Google Pixel 2 XL の OLED ディスプレイでも発売から一週間経たないうちに焼き付きが起こっている。
OLEDディスプレイとは
OLEDディスプレイとは有機ELディスプレイの一種だ。有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに代わる技術として開発された。有機ELディスプレイはパネル自体が発光するため、液晶ディスプレイのようにバックライトでパネルを照らす必要が無い。バックライトを必要としないのでディスプレイ本体を薄くすることが可能だ。
また、液晶ディスプレイの場合は白色のバックライトをパネルに照らすことで色を放つ。それに対し、有機ELディスプレイは素子に直接電圧を加えて発光させる。どの色に対しても白色のバックライトを照らす液晶ディスプレイよりも素子を直接発光させる有機ELディスプレイが綺麗に映る。
液晶ディスプレイに比べて薄くなり鮮やかになった有機ELディスプレイだが、欠点がある。それは焼き付きが起こりやすいことだ。
Appleが発表した支援報告書
以下はAppleが発表した支援報告書の一部を意訳したものだ。
長時間の使用によりOLEDディスプレイが視覚的変化を起こす場合がある。これは予想されている事態であり、画面の画像が入れ替わった後でも、以前の画像の残像が残ることがある。いわゆる焼き付きだ。この現象は高コントラストの静止画を長時間連続で表示している場合に発生する可能性が高い。Super Retinaディスプレイは焼き付きの影響を減少させるように設計されている。これは業界内でも最高の技術だと自負している。
AppleがiPhone にOLEDディスプレイを搭載したのはiPhone Xが初であり、焼き付きをとても警戒していると考えられる。
10月にiOS11のデータコードが漏洩した際にはデータ内に焼き付きを防止するコードが含まれていることが明らかになっている。
Appleは自動明るさ調節機能をオンに設定し、画面の自動ロックを設定することでディスプレイの焼き付きが起こる確立を減らすことができると発表している。
iPhone Xで焼き付きが起こる可能性は低い
今回の報告書は焼き付きに対する注意喚起であり、実際に焼き付きが報告されたわけではない。
Appleが焼き付きに対してかなり警戒しているところをみると実際に焼き付きが起こる確率は低いと考えれる。今回の支援報告書の発表も、ユーザーに焼き付きを意識させることで問題が発生するのを未然に防ごうとしていると考えられる。
だから私たちもできるだけ焼き付きを意識しておく必要がある。iPhone Xに限らず、OLEDディスプレイを搭載したデバイスを所持するユーザーが気を付けるべきことは同じ画面を連続表示させないことだ。
それを防ぐためにはAppleが発表したように画面の自動ロックを設定しておくことが重要だ。うっかり画面を消し忘れてしまうことは誰にでもあるが、自動ロックを設定していれば問題ない。
画面ロックには焼き付きを防ぐこと以外にもいろいろな意味があるため、設定は必須と言ってもいいだろう。
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Photo Aaron Yoo